こんにちは、現役美容看護師の「めてめて」です。
この記事では、美容看護師のデメリットに焦点を当てて解説します。
美容看護師は魅力的なメリットがよく強調される職業です。
実際に、多くの看護師が美容分野への転職を考え、その輝きに惹かれています。
しかし、美容看護師であるがゆえのデメリット、つまりその負の側面を知ることも、この道を選ぶ上で非常に重要なことです。
これから美容看護師として働きたい人、または現在美容看護師として働いている人に、今後のキャリアを考える上で参考になる内容です。
めてめて
- 現役美容看護師
- 美容看護師歴7年目
- 管理職、教育、採用担当
- 医療と経営の両視点から美容医療を経験
- 大手系〜個人系まで多種多様の美容クリニックで勤務経験あり
始めに
看護業界において、美容看護師という職業への関心が年々高まっています。
美容看護師への転職を専門的に取り扱っているサイトの存在が多くあることからも、この職種の人気を感じ取ることができます。
特に、美容看護師として働くことで得られる魅力的なメリットの数々は、美容看護師への関心を大きく加速させている要因です。
しかし、あらゆるメリットの裏にはデメリットが存在するものです。
美容看護師として働く際に直面する可能性のあるデメリットを知らずに職に就いた結果、夢にまで見た美容看護師の仕事に、かえって苦痛を感じてしまう結果になることも少なくありません。
この記事では、美容看護師として働くことのデメリットに焦点を当て、具体的に解説します。
職業のデメリットを理解することは、美容看護師としてのキャリアを長く、安定して続けるための重要な要素となります。
美容看護師を目指している、現在その道を歩んでいる看護師にとって、美容看護師という職業の現実的なイメージの構築と、充実したキャリアパスの計画を考案していくための参考にしてみてください。
・デメリットを知らないと不本意な辞めてしまう理由にもなる
- 美容看護師として働く上でのデメリットについて
- 美容看護師のデメリットを知っておく必要性について
- デメリットを踏まえてでも、美容看護師にはたくさんのメリットがあるということについて
美容看護師のデメリット
こちらが今回解説していく、美容看護師のデメリットになります。
美容クリニック毎に、デメリットの差異はありますが、多くの美容看護師に該当するデメリットについて紹介しています。
- 医療スキル習得に限界がある
- 接客業務の負担がある
- 医療的な価値観だけでは働けない
- 繁盛期は休みの調整が困難
- 保険診療への転職が困難になる
- 給料が上がりづらい
医療スキル習得に限界がある
美容看護師として働くという選択は、医療分野における特化した分野で働くことを意味します。
これには、一般的な医療職場において習得可能な広範な医療技術を身につけにくいという、大きななデメリットが伴います。
美容看護師が関わる医療行為は、主に美容クリニック固有の限られた範囲に集中しています。
たとえば「医療機械を用いた施術、点滴や採血、手術の準備と介助、滅菌操作、感染対策、そして基本的な身体管理」などがその主な業務です。
これらは保険診療を行う看護師の業務と比較すると、専門性が高い反面、汎用性に大きく欠けます。
このように、美容看護師の仕事における実践範囲は、基礎看護技術を含めても限定的であり、それが看護師としての全体的なスキルセットの成長を妨げる可能性があります。
特に、看護師としての広範囲な技能と経験を求める場合、美容看護師としてのキャリアはその需要を満たすことが難しくなります。
このように、美容看護師のキャリアは、専門性が高い分野に集中することで、一般的な看護職よりも医療技術の習得機会が限られてしまうというデメリットがあります。
自由診療の経験は臨床経験に含まないという考えを聞いたことがある人は多いでしょう。
提供できる医療技術が特化しているからこそ、そのような認識をされているのですね。
美容看護師になるということは将来の選択肢を限定的にするということでもあります。
接客業務の負担がある
多くの看護師が美容分野で働く際、接客業務をすることで得られる接客の高いスキルは、メリットの一つと捉えられることがあります。
しかし、美容看護師としての接客は、その魅力にもかかわらず、一定のデメリットを伴います。
まず、美容看護師の接客業務は、全てのお客様に対して平等に丁寧な対応を求められるため、自分の意思で対応する相手を選ぶことはできません。
つまり、どのような人物であっても、お客様として迎え入れ、対応をする必要があります。この点において、対人関係におけるストレスは避けられない要素となります。
さらに、お客様はサービスを受ける側として、必然的に優位な立場に立つため、接客業務は精神的な負担が大きくなりやすくなります。
クレーム対応や要望への応え方など、接客には気を遣う必要がある場面が多くあり、これが精神的ストレスに繋がることも少なくありません。
実際、接客業務によって抱えるストレスや負担を適切に管理できなかったことによって、美容看護師の道を離れる人も存在するほどです。
接客が苦手、または対人ストレスに弱いと自覚している人は、美容看護師としてのキャリアを選択する前に、この業務に伴う負担を十分に考慮しておくことが大切になります。
美容業界において、接客は避けられない要素であり、この側面を理解し受け入れることが、長期的なキャリア形成において不可欠です。
私自身接客は好きなタイプで、コミュニケーションも得意なのですが、それでも接客をする行為自体を純粋にしんどいと感じることはあります。
そして、1日に大人数と接するとやはり相応のストレスは感じます。
医療的な価値観だけでは働けない
美容看護師として働く際、医療職としての倫理と営業目的のバランスを保つことは一つの大きな課題となります。
医療の世界では原則として対象の安全と健康が最優先されますが、美容医療業界の本質はあくまでも営利目的であることから、この二つの価値観が常に一致するわけではありません。
医療倫理を尊重しつつも、クリニックの経済的な成功を支える必要があります。
例えば、医療を提供する上での安全や衛生に関する基準は絶対に守らなければならないものの、クリニックの運営や戦略に関しては、医療的な観点とは異なるアプローチが取られることがあります。
このような環境下では、美容看護師が自らの医療倫理と業務上の要求のバランスを見つけることが求められます。
しかしながら、すべての美容看護師がこのバランスを保つことができるわけではなく、その結果として職場でのストレスや倫理的なジレンマに直面することも少なくありません。
特に、医療の世界で長年にわたり保険診療に従事してきた看護師の場合、美容医療の営業的な側面との矛盾を特に強く感じることがあります。
これは、医療的価値観を第一に考えてきた看護師にとって、大きな葛藤の原因となり得ます。
美容看護師として働くには、このような職業特有のデメリットを十分に理解し、自分自身がそれを受け入れる準備ができているかを慎重に考えることが重要になります。
営利目的と医療倫理の狭間で働くことの意味を理解し、自身の価値観との整合性を見極めることが、長期的なキャリアパスを築く鍵となります。
私もかつて下調べをしっかりとせずに医療的なことがそぐわないにクリニックに入職してしまったことがあります。
すぐに辞めましたが、時間を無駄にしたことと、お客様に不利益を与えてしまったことに今は後悔しかありません。
繁栄期は休みの調整が困難
美容クリニックは、土日や長期休暇などのお客様が増える時期に、最大限のサービスを提供する機会が多くあります。
これらの期間はクリニックにとって売り上げを伸ばす重要な機会であり、多くのスタッフが勤務することが求められる傾向にあります。
その結果、これらの繁盛期に休暇を取得することは、特に忙しいクリニックでは非常に困難となります。
個人のライフスタイルや家族との時間を重視したい美容看護師にとって、このような働き方の拘束は大きなデメリットとなる可能性があります。
また、土日や祝日に休むことが困難であれば、社会的なイベントや家族との時間を十分に楽しむことができなくなり、それにより、ワークライフバランスの悪化を招いてしまうこともあります。
管理職に昇進し、自分でシフトを調整できるようになれば、この問題をある程度解消できるかもしれません。
しかし、それには時間と労力が必要であり、また管理職への昇進は別の種類のプレッシャーや責任を伴います。
したがって、繁盛期の休暇調整の問題は、美容看護師としてキャリアを築くにあたって考慮すべきポイントです。
美容看護師として長く働く場合は、休暇を取得しやすいクリニックを選ぶことや、あるいは自己管理とストレスマネジメントのスキルを向上させることが重要です。
自分自身の働き方や価値観に合ったクリニックを適切に選ぶことで、休暇までも含めた美容看護師としてのキャリアをより充実させることが可能になります。
休みの調整が難しいといのは私生活で足を引っ張ることがあります。
私もクリニックの繁盛期に開催されているイベントなどの参加を諦めるしかないと悔やんでしまうことも時々あります。
働く上で休みを全て都合良くというのは当然難しいですが、限定され過ぎているのもストレス要因となりますね。
保険診療への転職が困難である
美容看護師が保険診療の領域への転職を考える際、経験できる技術が特化していることから、広範な医療技術の経験が乏しいと見なされることが多々あります。
美容看護師が提供する医療サービスは、特定の技術や処置に限定されがちであり、そのため全体としての医療スキルが看護師として働く上では不足していると判断されるからです。
これは、美容看護師が長年培ってきた経験やスキルが、臨床看護の分野で直接活かされにくいという紛れもない事実です。
特に保険診療の領域では、病院や一般的な医療施設で必要とされる広範囲の看護技術や知識が求められるため、美容看護師の経験は十分な臨床経験として認められないことも多いです。
このため、美容看護師から保険診療の領域へ転職する際には、経験不足やスキルのギャップを何かしらで埋めなければ、転職において選択肢を狭め不利になることがあります。
特に、美容看護師の経験が長ければ長いほど、技術の偏りが顕著になることから、保険診療領域への転職はさらに困難になる可能性があります。
美容看護師としてのキャリアを考える際には、長期的な視点で、保険診療への転職の可能性も含めてキャリアプランを検討することが重要です。
美容看護師としての経験を積む一方で、広範な医療スキルを維持・向上させるための努力を続けることが、将来的な転職の選択肢を不用意に狭めない対策となります。
とはいえ保険診療も深刻な人手不足なところもあるので、場所を選ばなければ楽に美容から保険診療に転職できるところはそれなりにありますが、そのような人手が足りないような環境が働きやすいかというとそれは別問題です。
給料が上がりづらい
美容看護師としての給与形態は、初期の給料が比較的高めに設定されている場合があります。
これは美容クリニックが提供するサービスの性質上、専門的なスキルや高いサービスレベルが求められるためです。
しかし、問題は美容看護師における給料の成長性にはいくつかの制約が存在することです。
一つ目の制約は、美容看護師の給料の成長が成果主義に強く依存している点です。多くの美容クリニックでは、成果主義に基づいた報酬制度を採用しており、個々の看護師がクリニックの収益に直接貢献した結果に応じて給料が決定されます。
そのため、定期的な昇給やキャリアアップによる給料の自動的な増加は期待しにくい傾向があります。
二つ目の制約は、美容クリニックによるボーナスや退職金などの福利厚生が限定的である場合が多いことです。
これは美容クリニックが営利企業として運営されていることが影響しており、長期的な財務計画の中で人件費を抑制するための戦略の一環として行われている場合があります。
これらの制約により、美容看護師としての生涯年収は、一般的な保険診療の看護師と比較しても大きく差が開くことは少なく、場合によっては低くなる可能性もあります。
特に、長期的なキャリアプランや将来の財務計画を立てる際には、この点を十分に考慮する必要があります。
結局のところ、美容看護師としての経済的な満足感を高めるには、クリニックの選択、キャリアの計画、個々の成果への投資が重要となります。
給料の成長性が限られている職業特性を理解し、役職を目指したり、クリニックを厳選したりするなど、その中で最大限の経済的な利益を追求するための働き方が求められます。
給料が高いということを信じて美容看護師になってしまい、実際は全然お金が稼げなくて辞めていった美容看護師は多いですね。
給料面は特別高くないということは始めから想定し、美容看護師として生活の質を上げるためにステップアップを適時目指す必要があります。
最後に
この記事では、美容看護師として働く上で起こり得るデメリットについて解説をしました。
美容看護師としてのキャリアは、多くの魅力的な側面を持ちながらも、その特有のデメリットもそれなりに存在します。
これらのデメリットは、美容看護師という職業が持つ固有の性質から生じるものであり、キャリアを選択する際には十分に考慮することが重要です。
特に、キャリアの長期的な計画を立てる上で、これらの要素は、美容看護師としての働きやすさや職業満足度に直接的な影響を及ぼします。
しかし、これらのデメリットが美容看護師という選択を否定するもにはなりません。
むしろ、これらの課題を理解し、前向きに捉えることで、より充実したキャリアを築くことが可能です。
例えば、医療技術の習得においては、美容看護師特有のスキルを深めることで専門性を高めることができます。
また、接客業務のストレスに対処することで、コミュニケーション能力や顧客満足度向上に寄与するスキルを発展させることができます。
最終的な美容看護師としてのキャリアは、個々の価値観やキャリア目標に基づいて、自分が最も納得できる形で達成できるように、慎重に検討していきましょう。
今回の内容が、美容看護師としてのデメリットと対処方法の考案や理解に繋がり、最適なキャリア選択を行うための参考となれば幸いです。
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美容看護師は楽しくやりがいのある仕事で、それは間違いないことです。
デメリットを予め知っておくだけでも美容看護師として働くことの違和感は無くせます。
それが高い安定感を実現させることに繋がるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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